映画

緯度0大作戦
潜水艦ものの特撮SF映画
1940年アメリカで放送されたラジオドラマ「Tales of Latitude Zero」を東宝が映画化した作品。

海底火山の噴火によって浮上できなくなった潜水球のクルーは、謎の潜水艦アルファ号に救助される。
アルファ号は地上の文明よりも進んだ技術水準で造られた万能潜水艦で、
田代博士とロートン記者はバートン医師の治療で一命を取り留める…。

ジュール・ベルヌ海底二万里」からインスピレーションを得ているような内容。
海底二万里」は人類に反旗を翻すノーチラス号船長の怪人物ネモに振り回される主人公のお話だけど
この作品には明確に敵対する組織があり人類の英知を守る(奪う)為に人知れず戦いを繰り広げている。
映画内ではお互い保有してる潜水艦での戦いが中心で映画が持っている世界観の一部にとどまってるが、
中盤辺りで差し込まれる地上の優秀な科学者の勧誘と拉致などの地上との関わりが中々面白く
ここをもっと掘り下げるスパイドラマも面白いんじゃないかと思った。

万能潜水艦
特撮で一番笑えるロマン兵器、大抵「万能戦艦」となっていて戦艦に潜水能力とか飛行能力が付けられてることが多く
最初潜水艦で登場したのに最後には宇宙にまで行っちゃったりする。
サンダーバード」で5つに分けた機能を1隻でという感じのもだけど中には艦内に製造設備を持ってたり戦艦の域を出てるのもある。
海底軍艦轟天号や「マイティジャック」マイティ号はそれらの代表格、忍ばない忍者みたいになってるのが万能戦艦。
この映画の潜水艦も潜水中に縦横にスライド移動できる推進装置を付けていたり、レーザー砲を装備してたりと
いった万能ぶりを発揮してます、最終的に空も飛ぶ。
WW2の頃は潜水艦に水上艦と同じような設備を付ける事が結構あり現在の潜水艦の主な任務を考えると甲板には
何にも付けないのが普通だけど、水上飛行機を3機格納できる格納庫を付けたり、兵隊をこっそり輸送する為だけの
輸送潜水艦を作ったり、デカい砲を2門も付けたりとその運用方法についての試行錯誤が盛んだった。
この辺の発想が凄い必殺武装を付けるだけでなく船の性能を異次元に持っていって乗員の知恵と勇気で敵を凌駕する
「あらゆる事態に対応する万能戦艦」の発想に繋がってるのかなと思う。

アニメ「ふしぎの海のナディア
原案を「海底二万里」としてるけど中心の話筋や構図はこの映画の方にそっくりで、番組終盤はむしろ原作こっちじゃね?
という感じになる、このアニメではそれまでに作られた戦艦・宇宙船・宇宙戦艦・潜水艦・万能戦艦を扱った作品の
数々のオマージュが観られため見てるうちにどれが原案だかわからなくなることがままある。

他の潜水艦を扱った映画「眼下の敵」「Uボート」「レッドオクトーバーを追え!」「ローレライ