映画

キングコングの逆襲
初回が無いのにいきなり"逆襲"されるタイトル。
映画は日本の特撮で1933年の映画「キング・コング」の版権を利用した東宝35周年記念の特撮映画、
1967年の特撮でその映像表現は現代から見るとチープではあるけれど
それを補完するシナリオとドラマは現代にも通じる面白さがあると思う。
浜美枝とリンダ・ミラーの2極ヒロイン像が素晴らしくどっちもえらべねぇよという贅沢な悩みをあじあわせてくれる。
特に浜美枝演じるマダム・ピラニアはボンドガール的なキャラ像でありながら現実の日本へのアンチテーゼを秘めている面白いキャラクター。
一方でそれすら凌駕するのが天本英世演じるマッドサイエンティスト ドクター・フー
ラディカルな無政府主義者の天本さんが熱演するほどこの博士に味わいと魂を与えていて
カットを重ねるごとに積み重なる愛着と哀愁が最後のシーンで爆発してグッとこみあげてくる。
観終わった後この映画のヒロインは天本英世と断言したくなる映画。

15年前に亡くなってしまった「天本英世」という悪の科学者・狂人・変人を演じさせたら
代役など考えられない俳優が居たことを知ってもらいたい。