映画

ゴールデン・リバー
2018 The Sisters Brothers


1851年ゴールドラッシュに沸くオレゴン州
殺し屋のシスター兄弟、兄イーライ弟チャーリーは、雇い主の提督の所有物を盗んだ探鉱者ウォームを追う。


西部劇、
賞金稼ぎとか殺し屋を主人公にしたものでは珍しく因果応報的なものが無く平穏な終わりで観心地は良かった。
ゴールドラッシュと絡めた内容でウォームの発見した謎の化学薬品を川に巻くと金が光って見える、
といった結構な奇想天外感があるが、これ自体はウォームの語る理想社会を視聴者や兄弟が
実現できる夢として受け止めやすくしてる装置かなと思った。
非現実的なんだけど金探しで身を持ち崩して疲れちゃった人が何万といた頃だしねそれをやっても詰まらないし、
こういう都市伝説めいたものがあってもいいかもね。

邦題が微妙、ゴールドラッシュと絡らめてるんだろうけど映画ではそれほど大きく扱っていなく、
ゴールドラッシュで急激に発展していくアメリカ社会の中で兄弟の心を移り変わりを追っていく内容、
原題もアメリカ映画ではありがちな題だけど的を得ていると思う。

イーロイがウォームを追う途中の雑貨屋で買う歯ブラシが絶妙に文明開化っぽさを出していて、
買うシーンと歯磨きの説明書を観ながら歯を磨くシーンが印象的だった、
それでいてその後も躊躇なく殺しをやってるのがあの時代の過渡期を表してるようだった。