映画

バニシング
2018年 実際の事件を題材にしたイギリス映画。

 

スコットランド沖フラナン諸島のアイリーン・モア灯台で6週間過ごすことになる
トマス、ジェームス、ドナルドの3人の灯台守の男たちの話。
嵐の夜が明けた翌朝、島の崖下に一人の男と箱が流れ着く。

 

1900年に起こった"フラナン諸島の謎"とか"アイリーン・モア灯台事件"とか言われてる
3人の灯台守の失踪事件で事件全体が未だ謎の事件らしい。
冒頭からさっさと灯台へ行ってしまうので、絶海の孤島での3人の男の話が中心になり
それぞれのバックボーンを語りながら話が進む、
一応最後に失踪するのでサスペンスなってるが名前と場所以外題材にしてる

事件の真相が不明なので九分九厘フィクション。
サスペンスという割に、平凡な事情の顔見知りの3人の男たちの話なので

ビックリするほど何も起こらないのは当たり前で何となく描写に

飽きてきたころに失踪に繋がる転機がやってくる感じで進む。

 

嵐の翌朝流れ着いた遭難者をやむなく殺してしまい持っていた箱を開けたことで

歯車が狂いだす。

 

3人の中のドナルドは若くて初めて灯台守をする男でジェームスの知り合いらしいが
トマスとは初めてで精神的にも幼い奴、
流れ着いた男を成り行きで殺してしまったことで自暴自棄なテンションになり
何かと場をかき回し観ててイラっとさせるようになる、
お前はなんでそこでトマスのいう事を聞かねぇかなぁ

って画面に突っ込みたくなるくらいw。
トマスは警察に全部話して男と箱を引き渡して灯台を平常に戻そうと

2人を諭して乗り切ろうとするが2人は箱を開け中に金塊が3つ

入ってるのを見つけてしまう、それでもトマスは忘れろと論するが
流れてきた男の仲間達が島を訪れてきたことでまた話が回りだす。

タフガイな役が割と多い印象のジェラルド・バトラーがジェームス役で

モジャモジャの髭でいかにも海の男的な風貌で登場したけど

終盤のガッタガッタに精神崩壊した弱々しい演技が新鮮で良かった。

 

野生の呼び声

2020年ハリソン・フォード助演の映画

原作の映像化は8度目らしいけど今回初めて見た。

 

犬、は紀元前から人間に慣れた狼の一種を飼育交配することで生まれた

人類史で最も古い人工の種の一つで、
現在も人間の生活のあらゆる面で良きパートナーである犬は

人間が野生から切り離した生物の一つ。

 

全編CGの犬が主人公でその助演を演じるのが名優ハリソン・フォード
基本的に犬目線の話なので人間が感じる感情の機微については省略気味で

多少の物足りなさは感じるけど俳優諸氏の名演によりCGの犬により感じ入るものが

生まれている、良く出来たファンタジー映画。
生きた犬の俳優を使うとこういう作品は過去でも現在でも無理で

思い切ってCGにしたことで主人公然としたバックが良く表現されてると思う、

流れ星銀みたいないしゃべらせなくてよかったよ。

 

コロナ禍で観に行けなかった映画の一つ、レンタルが早かったのでアマゾンで観た。

現在、人種間コミュ障になっている人が観るべき映画、
CG?そんなのは関係ないフィクションは皆架空だ、

バックは尊敬に値する奴、これで十分。

 

CGキャラのバックにアカデミー主演賞を授与したらいい。

映画

パッセンジャー
2017年のSF映画

新しい居住惑星に向かう5000人を乗せた宇宙船アヴァロン、
片道120年という長い旅路の為すべての乗員乗客はコールドスリープ装置で眠っていた、
地球出発から30年、宇宙船の故障によりエンジニアのジムは1人で目覚めてしまう。

ジムが一人でコールドスリープから目覚め1年ほど孤独に苦しんだ末に
自暴自棄になった所をオーロラのカプセルを発見し、
判断に苦しんだ末あろうことかオーロラを起こしてしまう。
ジムの期待通りに2人は惹かれあうわけだけど…、見ているこっちはジムの我儘と孤独故の罪を
知っているのでラブストーリーには全く見えずジムの嘘と騙されているオーロラの不憫さで
空虚な時間が中盤まで続く、中々この時間が耐え難いものでながら視聴をしてしまった、
中盤ジムの嘘が発覚する辺りから第3の人物も登場してまぁまぁ面白くなる感じ、
そこまで耐えて見るしかない映画。
中盤まで観るとキャラクター作りをシナリオに馴染ませ生かされているところが見え、
オーロラの「往復240年独りぼっち人生」計画の寂しさからの関係修復と新しい人生の発見の
プロセスに納得感も得られる感じになってる。

展開は取り立てて新しさを感じることもないお約束の眠り姫タイプのSF、
キャラクターを絞り順番に出す事で会話の密度が高く保たれ展開に強引さを感じないシナリオは
よかったけど、残念なのはジムの嘘をシナリオのトリックで視聴者に隠せなかったのかという点、
最初にジムの気持ちにさせられてしまい後半オーロラの気持ちを考えないといけないっていう
ことに観辛さを感じずにはいられなかった、そこがハマると名作になったのにね。
シナリオの狙いはこそだとは思うが、客観視点で物語を視聴して色んなキャラクターの機微を
観ていたい僕にはちょっと合わないタイプの映画だった。

映画

魔術師
1958年 イングマール・ベルイマンスウェーデン映画

奇術の興行を行う旅芸人の男に降りかかる階級社会の遊びをコミカルに映画いてる
19世紀ぐらいを舞台にした喜劇映画。

主人公演じるマックス・フォン・シドーは「ジャッジドレッド」とか「コナン・ザ・グレート」で
威厳あるわき役で馴染みだったので主役の映画は始めて観た。
ずっと魔術師の扮装のまま中盤まで一切喋らず目力だけで演技していて、その存在感を最初のカットから
保っていて物凄い魅力を発揮してる、その一方で後半扮装を解いた素の魔術師のオーラの無さまで演技していて
劇中「誰だよ」ってセリフで言われる気分がそのまま視聴者の気分にさせられる凄い演技。

上流階級者の前で興行をするように言われ興行をするも、奇術の種を舞台を荒らして暴かれるなど散々笑いにされるが、
死んだふりで脅かしたり最終的に国王に召喚されるなど喜劇的なオチもしっかりしていて楽しい終わりの映画だった。
それどうやっても騙せないんじゃね?ってとこもあるんだけどね…。

マックス・フォン・シドーは2020年3月8日没

映画

トゥルーマンショウ
98年 ジム・キャリー主演

アマゾンで久しぶりに観た。
評価★が上がるほど視聴者で下がるほどトゥルーマンの気持ち、
評価者全員がこの映画にハマってる。
何回観ても面白くキャストの誰に感情移入しても観られるとても良い映画、
正にリアリティショウ。

1人の男の人生をのぞき見するというTV番組の視聴者を引き付けるリアリティと興味を失う時、
自分の人生の主人公は自分だということを投げかける映画かな。
プロデューサーから観ると他人の人生に色どりを与える”神”の目線と生誕から見守る”親”の気持ち
2つあると思う、けれどトゥルーマンから見るとそれは自由のない悪夢で、
作られた人生を歩まされていることでしかなく、気が付いちゃうと何が何でも脱出したくなる。
終盤はある意味子供の反抗期と巣立ちのようで、「どうだいおれの演出は、ありがたいだろう」
と言いたげな説得をするプロデューサーに対して、
「念のため、会えない時のために、こんにちはとこんばんは!」と毎朝の挨拶を返しEXITの扉から
出ていくトゥルーマンは「うるせークソ野郎!」と中指立てるようで最高だった。
扉から出ていき番組が終了すると視聴者の興味は興味を失い他の番組へ移るリアルとリアリティの違いが
実は誰もこれが生きた人間の人生とは思ってなかったのか?というやるせない気持ちになる。
願わくば、トゥルーマンが作られた30年の人生の中で唯一本物だったシルビアと開会できるといいなと思った。

98年はビデオゲームではPS1「メタルギア」が出たりしてた頃で今ほどリアルではないにしろ
3D空間の箱庭で遊ぶといったゲームが出だした黎明期。
2Dゲームから1次元増えたことでゲームのプレイ感が変わりより自由な気分が味わえるようになった、
そうなるとあっちのはっしこの方はいけるのか?、登れるのか?といったことを試して
ゲームの進行以外の事を試したくなりともすればバグでフィールドから脱出出来てしまう。
システムから行動を監視されフラグ管理され演出されたシナリオに沿って事が進む、
ゲームのプレイヤーとトゥルーマンは心境的によく似ている。
最近のゲームは細部まで作りこまれ自由度も上がりキャラクターの表情も豊かになっている分より
この映画に近い感じになってる。


フリー・ガイ 2020年公開
https://www.youtube.com/watch?v=hznzrpulDiE
ライアン・レイノルズ主演の映画
ビデオゲームNPCのライアンが自分がNPCであることに気が付いちゃう映画、
生ドキュメントな内容のトゥルーマンショウを軽くした感じかな。

映画

LOOP ループ 時に囚われた男
ハンガリーの映画 原題はそのままハンガリー語でループを意味する「HUROK」
ループもの映画。

薬の密輸を生業にしているアダムとアンナは、アンナの妊娠を切っ掛けに関係がギクシャクしていた。

ループものは物語の性質上何かを切っ掛けに世界を丸ごとやり直して分かりやすいく作らることが多いが
この映画では同一の時空間にパラレルワールドが発生し過去の別の選択をしてる自分とも対面する、
しかもループのトリガーが主人公自身では無いために話が余計ややこしい。
ちょっとひねりすぎかなとも思ったが、オチは結構よかった。

最初のループはよく分からないうちに2週目が始まっていて過去の選択をした自分が録画されてるビデオを
アンナからもっらって今が2周目であることを視聴者も確認してしまう、かなりの変化球。
ループものと思って観てるので主人公のどこかがトリガーになるのかなと思い返してもそれらしい要素も
思い当たらず、最初は「ビデオに録画されること」がトリガーなのかな?と思ったりもした、
実際は「アンナが死ぬ」がトリガーで主人公自身が死んだりというのはトリガーになっていないストーリー。
選択分だけパラレル主人公がいるらしく映画冒頭の部分が最後のオチになっている、
主人公が死にまくればジャンジャン死体が渋滞してちょっと面白い感じもするがそんなことはしなかった。

映画

オール・ユー・ニード・イズ・キル

2014年トム・クルーズ主演の映画 ループもの 桜坂洋ライトノベルAll You Need Is Kill」が原作

「恋はデジャ・ブ」(1993)をはじめいくつか「ループもの」の映画を連続で見返していると、
その年代で作劇やゲームなどの流行りやニーズに沿ったループもの映画が製作されていて興味深くどれも面白い。
毎年何十本と同じような映画は作られているがオリジナリティの要は時代により変わる「切り口」で
題材が同じでもプトット違い配役違いシチュエーション違いで大きく変わる、
本作は「スターシップ・"ループ"・トルーパー」と言っていいかもしれないがビデオゲーム的な切り口で
当時的に新しい切り口の作品と言える映画。
本作のオチは本編の戦いのループを乗り越えた先の新ミッションとして描かれていてとても希望に満ちている、
他のループものだとヒロインとの関係を確立して新しい生活の始まりで終わるオチになっていることが多いなか
ヒロイン攻略の始まりとして終わっているところが清々しくビデオゲームではあまり味わえない映画らしい
終わり方をしてる、最後のトム・クルーズの笑顔がとてもいい。
が、このエイリアンとの戦争は何時かまた偶然ループできる兵士が現れ続けないと終わらないっていう
地獄ループになっている怖い解釈もできる所も面白い。

原作の桜坂洋All You Need Is Kill」も日本のライトノベルビデオゲームのニーズに沿ったもので、
うまい事波に乗る作品はどこで出しても層を乗り越えて誰かの目に留まるのだなと再認識した。