映画

パッセンジャー
2017年のSF映画

新しい居住惑星に向かう5000人を乗せた宇宙船アヴァロン、
片道120年という長い旅路の為すべての乗員乗客はコールドスリープ装置で眠っていた、
地球出発から30年、宇宙船の故障によりエンジニアのジムは1人で目覚めてしまう。

ジムが一人でコールドスリープから目覚め1年ほど孤独に苦しんだ末に
自暴自棄になった所をオーロラのカプセルを発見し、
判断に苦しんだ末あろうことかオーロラを起こしてしまう。
ジムの期待通りに2人は惹かれあうわけだけど…、見ているこっちはジムの我儘と孤独故の罪を
知っているのでラブストーリーには全く見えずジムの嘘と騙されているオーロラの不憫さで
空虚な時間が中盤まで続く、中々この時間が耐え難いものでながら視聴をしてしまった、
中盤ジムの嘘が発覚する辺りから第3の人物も登場してまぁまぁ面白くなる感じ、
そこまで耐えて見るしかない映画。
中盤まで観るとキャラクター作りをシナリオに馴染ませ生かされているところが見え、
オーロラの「往復240年独りぼっち人生」計画の寂しさからの関係修復と新しい人生の発見の
プロセスに納得感も得られる感じになってる。

展開は取り立てて新しさを感じることもないお約束の眠り姫タイプのSF、
キャラクターを絞り順番に出す事で会話の密度が高く保たれ展開に強引さを感じないシナリオは
よかったけど、残念なのはジムの嘘をシナリオのトリックで視聴者に隠せなかったのかという点、
最初にジムの気持ちにさせられてしまい後半オーロラの気持ちを考えないといけないっていう
ことに観辛さを感じずにはいられなかった、そこがハマると名作になったのにね。
シナリオの狙いはこそだとは思うが、客観視点で物語を視聴して色んなキャラクターの機微を
観ていたい僕にはちょっと合わないタイプの映画だった。